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業務効率化

業務効率化を成功させるポイントは?実現のための7つの観点と具体的な進め方をご紹介

多くの企業が業務効率化を課題として、日々、その実現のために取り組んでいます。しかし、何のための業務効率化なのか、その先にある本当の目的がおざなりにされていることが少なくありません。今回は、業務効率化を成功させるために明確にしておきたいポイントについて詳しく解説していきます。

業務効率化とは?

そもそも業務効率化とはどのような意味なのでしょうか。一般的に、「生産性向上」や「業務改善」などの言葉と混同して使用されているケースもあるようです。

まずは、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

生産性向上との違い

「生産性」とは、「生産要素の有効利用の度合い」と定義されています。ここでいう生産要素は、いわゆる「ヒト、モノ、カネ」という経営資源であり、投入量に対して、どのくらいの成果(利益)があるかということを意味しています。

公益財団法人日本生産性本部が毎年発表している「労働生産性の国際比較」の2020年の調査データによると、日本の時間あたり労働生産性は、49.5米ドルで、OECDに加盟している38か国中23位。一人あたりの労働生産性もOECD加盟38か国中28位となる78,655米ドルという結果となっており、世界と比較しても労働生産性が低い国であることがわかります。労働生産性が低いということは、経営資源のうちのヒト、つまり、一人ひとりの労働力がアウトプットしている利益が少ないということです。

政府主導で「働き方改革」が叫ばれてから久しくなりますが、その大きな目的が「生産性向上」であったことを思い出す必要があります。

経済学では、企業が存在する目的は「利益の最大化」にあるとしています。これによって、株主への配当、賃上げ、社会貢献が可能となります。そのためにも生産性の向上が命題となるわけです。

一方、「業務効率化」はどのような意味なのでしょうか。「効率化」とは、辞書では「より効率的に作業等ができるようにすること」とされています。したがって、業務効率化とは、業務をより効率的にするということです。

あえて定義するのであれば、「業務・業務時間・ミス・コストにおけるムリ、ムダ、ムラの排除」となります。それによって生産性が向上するため、業務効率化は生産性向上のための手段であると位置づけることができます。

業務改善との違い

では、「業務改善」は業務効率化とどのように違うのでしょうか。業務効率化とは、「業務・業務時間・ミス・コストにおけるムリ、ムダ、ムラの排除」という意味でしたが、その具体的な方法が業務改善なのです。

後述するようにさまざまな業務改善によって業務効率化が可能になります。その意味では、業務効率化は生産性向上に向けた中間目標ととらえることもできるでしょう。

業務を効率化させる7つの観点

企業の最大の目的が利益の最大化であり、そのために生産性向上が必要であること、その手段として業務効率化が行われ、具体的な方法がさまざまな業務改善であると説明しました。

ここでは具体的な業務効率化の方法、つまり業務改善策として7つの考え方をご紹介します。

【その①】ムダな業務の洗い出しと見直し

企業では、長年の慣習として業務の手順が固定化しているケースが少なくありません。客観的にみれば、ムダな業務になっているものもあるでしょう。

何のために行っているのか、本当に必要なのか、業務を一つひとつ棚卸しして不要なものは排除し、必要な業務についても方法が適切であるのか確認します。

さらに、棚卸しした業務の優先順位の精査も重要です。自分がやりたい業務や取り組みやすい業務を優先した結果、業務効率が悪くなっていることも往々にして考えられます。業務の重要度と緊急度によって優先順位を付けましょう。

【その②】業務フォーマットの統一と業務のマニュアル化

ムリ、ムダ、ムラの排除という点では、基準を設けることが重要になります。それが標準化です。具体的には、フォーマットの共有とマニュアル化ということになります。

業務連絡や会議の議事録等、繰り返し発生する業務は雛形となるフォーマットを共有しましょう。作業手順についてはマニュアルを作成し、フィードバックしながら更新することでさらなる改善を図ります。

【その③】業務の自動化

パソコン上で行う定型業務や単純業務については自動化することで効率化することができます。この業務の自動化は、RPA(Robotic Process Automation)と呼ばれています。

例えば、営業業績データの月次レポート作成、問い合せメールからExcelへの転記、会議録の文字起こしなどは、RPAによって行うことができます。

【その④】適材適所の配置

人には向き不向きがあるため、本人が最大のパフォーマンスを発揮できる業務に配置することで生産性は向上します。

そのためには適性検査だけでなく、人事考課や1on1の結果を踏まえたデータを落とし込んだ人事情報システムによって従業員の情報を把握することが必要です。

【その⑤】データベースの活用

官公庁も含め、ビジネスでのペーパーレス化が進んでいますが、さまざまな紙ベースの情報をデータベース化して管理しておくことは、紙やインク等のコスト削減になります。

また、それ以外にも情報の共有と保管が一元化されることで検索が容易になるという効果も期待できます。

【その⑥】業務のスピードアップ

業務のスピードアップを図ることができれば、業務時間の短縮になり、生産性向上につながります。

簡単に取り込むことができるのが、ビジネスチャットの活用によるコミュニケーション速度の向上です。リアルタイムで複数人とやりとりできるのはメールにない機能であり、効果がすぐに実感できます。

【その⑦】業務のアウトソーシング

業務の一部をアウトソーシングすることも業務改善の手法のひとつです。これによって重要な業務に人材を注力できるだけでなく、企業のスリム化することもできます。

具体的には、事務作業、財務、法務、システム管理等は、アウトソース会社を活用することが可能な業務といえます。

業務効率化の具体的な進め方

業務効率化のための7つの業務改善策について紹介しましたが、実際にはどのように進めることになるのでしょうか。ここからは、具体的な業務効率化の進め方についてみていきましょう。ステップとしては、次のようになります。

現状の把握・分析

ムダな業務の洗い出しと排除のために現在の業務を可視化する必要があります。ここでは、「業務体系表」を使用し、部門別の業務内容を「大分類」「中分類」「小分類」に区分したうえで業務内容を簡潔に記載します。

業務体系表の具体例

改善策の立案

改善に先立ち、各部門の業務量を把握する必要があります。「業務量調査表」に各人が担当する業務について、所要時間と発生件数を記入し、1件あたりの平均処理時間を計算します。

業務による処理時間にバラツキがある場合は、備考欄で注意喚起します。

業務量調査表

改善策の実施

担当者ごとに調査表を作成後、業務ごとの時間、個人別の時間、業務単位の分担、経験年数を踏まえて改善の必要性を精査します。

そのうえで、前述の7つの業務改善策を検討し、実施計画書を作成、実施していくことになります。

その際、業務ごとの時間であれば、配分時間が最も大きい業務から改善策を実行します。部門間で業務の重複があれば見直しをしなければなりません。

個人でのバラツキがある業務については、適性も念頭に、必要であれば育成や配置転換も検討する必要があるでしょう。

なお、実施計画書では、その業務改善策についてコスト、実現性、難易度、改善に要する時間等も見積もっておくことが大切です。

評価・分析

実施した業務改善については、その有効性を評価・分析し、必要であれば再度、見直しをしなければなりません。

業務効率化実現の注意点

業務効率化の進め方について解説してきましたが、改めて重要なポイントや注意点について確認しておきましょう。

導入までの準備を万全にする

業務効率化は生産性向上を目指した改革と位置づけることができます。組織文化の変革にもつながるため、万全の準備をして取り組むことが重要です。

従業員への説明会や研修の実施を徹底し、一人ひとりが改革の必要性を認識することが大前提になるでしょう。

自社に合った業務改善を目指す

業務改善を教科書的に進めた結果、多数の改善点が見つかることがあります。しかし、一般的に教科書は、すべての企業向けに作られているわけではありません。

業種、企業風土、創業年数、年齢構成等を考慮した場合、一律に実施することが逆効果になることも考えられます。

自社に合った業務改善を進めるためには、状況が類似した企業の取り組み事例を参考にするという方法もあります。

必ず検証する

業務効率化に向けた業務改善は実施後に検証が不可欠です。

評価・分析のため、実施状況は一定頻度で報告会を開催し、改善テーマごとに検証して次の業務効率化につなげていくことが大切です。

まとめ

業務効率化を成功させるために知っておくべき重要なポイントについて詳しく解説してきました。生産性向上が最終的な目標であることを念頭に入れ、全社一丸となって取り組むことで大きな成果が期待できます。

7つの業務改善策を紹介しましたが、コスト、実現性、難易度、改善に要する時間等を考慮すれば、ビジネスチャットの活用はコストパフォーマンスの点でもおすすめです。

チャットツールelgana活用術については、こちらをご覧ください。

坪 義生
社会保険労務士
じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。千葉大学大学院社会科学研究科修士課程修了(経済学)。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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