仕事で私用携帯を使いたくない理由とは?
仕事で私用携帯を使いたくないと考えている人は多いですが、どのような理由なのでしょうか。主な理由を4つみていきましょう。
プライベートと仕事が混同するため
仕事で私用携帯を使っていると、仕事とプライベートの境界が曖昧になります。休みの日や勤務時間外でも、取引先から連絡が来れば対応を迫られることになり、従業員は負担やストレスを感じてしまうでしょう。
また、SNSなどのコミュニケーションツールで連絡を取る場合、個人情報が相手に伝わってしまう可能性があり、プライバシーの観点から懸念を抱く人もいます。
通話料などを自己負担したくないため
私用携帯を仕事で使うと、通話料や通信費などの自己負担が発生することを懸念している人は多くいます。会社によっては業務利用分を請求できる場合はありますが、経費申請の仕組みが整っていない会社では全額自己負担となる可能性があります。
たとえば、営業職の社員が1日に数時間も通話を行う場合、その通話料はかなり高額になることも考えられるでしょう。
また、経費精算できる場合でも、プライベート利用分と業務利用分を細かく分けなければならず、その手間が負担に感じる人も少なくありません。
情報漏えいリスクがあるため
私用携帯を仕事で使うと、情報漏えいのリスクが高まります。紛失や盗難のリスクに加え、業務メールやファイルの管理、社内システムへのアクセスなど、個人端末から機密情報に触れる機会が増えるでしょう。
そのような状態で私用携帯を業務利用していると、プライベートの連絡と混同し誤送信をしてしまったり、家族や友人などの第三者が端末を操作したりする可能性があります。
万が一、情報漏えいが発生した場合、会社の信用を失墜させるだけでなく法的責任を問われる恐れもあります。
個人の携帯番号を知られたくないため
仕事で私用携帯を使うと、個人の携帯番号やSNSアカウントなどが取引先や同僚に知られることになるでしょう。仕事関係の人から休日や深夜に連絡が来る可能性があることは、常に仕事のことを考えなければならずストレスの原因となります。
また、異動後や退職後も取引先から連絡が来る可能性も懸念されるため、抵抗を感じる人は少なくないでしょう。
仕事で私用携帯を使う場合のリスク
仕事で私用携帯を使うと、個人だけでなく会社全体でも多くの場面でリスクを伴います。ここでは、特に重大なリスクを5つ紹介するので、チェックしておきましょう。
セキュリティ管理が難しい
私用携帯を仕事で使う場合、会社はセキュリティ管理を徹底することが難しくなります。端末の管理は個人に委ねられるため、紛失やウイルス感染などによる情報漏えいのリスクが高まります。
万が一、ウイルス感染などのトラブルが発生した場合でも、個人情報が保存されている私用携帯では、データを一括消去するのは難しいでしょう。セキュリティ対策が不十分なまま、私用携帯を業務に利用するのは避けるべきです。
顧客の電話番号が管理できない
私用携帯を顧客との連絡に使うと、担当者にとっては便利である一方、会社にとっては顧客情報の管理という点で大きなリスクがあるといえます。
担当者の異動や退職時に顧客の連絡先をうまく引き継げないと、顧客との連絡が途絶えてしまい、信頼関係に悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。会社として顧客情報を適切に管理するには、情報管理のルールや仕組みを整えておく必要があります。
バックアップが取れない
仕事に使用する私用携帯のバックアップを会社が取るのは現実的ではないでしょう。個人に定期的なバックアップを義務付けたとしても、実際に行われているかどうかを会社側が確認するのは非常に困難です。
もし、端末を故障・紛失した場合、業務データがすべて失われてしまうリスクがあります。個人にバックアップを任せるだけではなく、会社として適切にデータ管理体制を構築することが重要です。
労務管理の手間が増える
私用携帯を仕事で使う場合、経費精算の手間が増えて労務管理の負担も大きくなります。従業員はプライベートでの利用分を除いた通信費を申請しなければならず、経理担当者はその明細を一つひとつ確認して処理しなければなりません。
労務管理の作業は非常に手間がかかり、担当者の負担を増やすだけでなく、ミスや不正のリスクも高まる可能性があります。
個々のデバイススペックに差が生まれる
社員が個別の私用携帯を使う場合、端末のキャリアやスペック、仕様が異なるため、業務効率に差が生じる可能性があります。たとえば、古い機種や低い性能の端末では、アプリがスムーズに動作しなかったり、セキュリティ対策が不十分だったりするリスクが懸念されます。
私用携帯である以上、利用端末の強制ができないため、デバイススペックの差によって生まれる業務効率や生産性の低下への対策を講じる必要があるでしょう。
仕事で私用携帯を使うことを強制できるのか
法律上、従業員に私用携帯の業務利用の強制はできません。特に、「個人情報保護法」「不正競争防止法」「労働基準法」の3つの法律に抵触する可能性があるため、任意での使用しか指示できないといえるでしょう。
まず、個人情報保護法の観点では、私用携帯の紛失や盗難により顧客情報などが漏えいした場合、会社は安全管理措置義務違反に問われる可能性があります。
不正競争防止法では、顧客リストなどの機密情報が私用携帯から漏えいした場合、会社は秘密管理性要件を満たしていないと判断されるでしょう。
労働基準法においては、会社は労働者に必要な設備を提供する義務があり、私用携帯の利用強制はこれに反するリスクがあります。
したがって、会社が私用携帯の業務で使うことを強制できません。どうしても利用させたい場合は、次の項目で解説する対策を講じる必要があります。
仕事で私用携帯を安全に使うための対策
私用携帯を仕事で安全に使うには、具体的にどのような対策を講じる必要があるのでしょうか。ここでは、3つの対策を紹介します。
BYODの導入
BYOD(Bring Your Own Device)とは、社員が個人所有のスマートフォンやPCなどを業務に利用する仕組みのことです。2024年1月の調査によると、日本国内でスマートフォン、ケータイの所有者のうちスマートフォン比率が97.0%となりました。BYODの導入によって社用携帯の支給コストを削減できるだけでなく、社員にとっても使い慣れた端末を利用できるため、業務効率を向上できるメリットがあります。
BYODを導入する際には、セキュリティ対策の徹底やプライベートとの切り分けなどの体制整備が必要ですが、私用携帯を仕事で安全に使うためのひとつの解決策となるでしょう。
参考:2024年調査 スマートフォン比率97%:2010年は約4%|NTTドコモ モバイル社会研究所
クラウドPBXの活用
クラウドPBXとは、内線、外線、転送通話を可能とするPBX(電話交換機)をクラウド化したITサービスです。クラウドPBXのサーバーはネットワーク上の仮想サーバーに存在し、インターネット回線を経由するため、アプリをインストールするだけで私用のスマートフォン端末同士でも電話網を構築できます。
従業員社員が別々の場所で働いていてもスマートフォン端末でやり取りを行えるため、テレワークにも活用できるシステムです。
ビジネス用コミュニケーションツールを導入する
ビジネス用のコミュニケーションツールを導入することで、私用携帯であっても安全に利用でき、プライベートとの切り分けも可能になるでしょう。たとえばビジネスチャットは、業務上の情報共有に特化したツールで、チャットによるコミュニケーションだけでなく、業務効率化につながる機能が備わっています。
ビジネスチャット「elgana」はチャット機能のほかに、タスク管理やファイル共有、音声通話などの便利な機能が豊富です。また、情報漏えいや不正アクセスを防止するセキュリティ機能も充実しており、私用携帯での利用であっても安心して仕事に活用できます。
「elgana」の導入により仕事で安全に私用携帯を利用できるようになった事例
全国展開している「おたからや」を運営する株式会社いーふらんでは、事業の拡大に伴って従業員が急増しました。そのなかで、近年社会的に問題となっているコミュニケーション上のトラブルや情報漏えいなどのリスクへの対策を講じる必要があると考えていました。そこで、会社として社内外のコミュニケーションを管理・統制できるチャットツールとして、ビジネスチャット「elgana」の導入を決めました。
操作性は非常にシンプルで使い勝手がよく、会社全体にすぐに浸透しました。また、「elgana」には、アカウント管理やログ保存機能、添付ファイルのダウンロード制限などのセキュリティ対策が充実しており、インシデントを未然に防ぐ体制構築ができています。
導入事例 株式会社いーふらん
仕事で私用携帯を使うなら「elgana」の導入がおすすめ
仕事で私用携帯を使う際は、情報漏えいやプライバシー侵害などのリスクを十分に理解し、対策を講じることが重要です。BYODやクラウドPBX、ビジネスチャットなどのツールを活用し、セキュリティ対策を徹底することで私用携帯でも安全に利用できます。会社と個人の双方にとってメリットのある方法を模索し、安心して仕事に集中できる環境を整えましょう。
ビジネスチャット「elgana」を私用携帯に導入すれば、セキュリティリスクの低減やプライベートと仕事の切り分けができ、業務の効率化にもつながります。「elgana」の基本機能を試用できる「おためしプラン」もございますので、私用携帯を安心して業務で使いたいと考えている方は、ぜひ導入をご検討ください。