膨大な量の内線電話が業務を圧迫。
お客さま対応が遅滞する要因に。
導入のきっかけ
ヘルチェックは首都圏に12か所の健診センターがあり、カスタマーサービス部では「営業」「予約」「報告・請求」の3つのセクションに分かれて、お客さま対応等のオペレーションを行っています。
年間のご受診者さまは60万人以上。予約セクションだけでみても毎日2,000本以上の電話を頂戴しているのですが、オペレーターのキャパシティが追い付かず、すべてのお問い合わせを受けきれないという状況が時期的に発生していました。そこで状況と課題を整理したところ、社員間のコミュニケーションのコストが非常に高いことがわかりました。カスタマーサービス部内の内線電話受発信数は1日に100件以上。各健診センター等との連絡も含めると1日に300件を軽く超えていました。1時間あたりにすると50件前後もの内線連絡が発生しており、この状況を改善することがボトルネック解消の第一歩になると考え、チャットツールの導入を検討することにしました。
現場の実状とリードタイム短縮を考慮し、
他部署で導入していたelganaを第一候補に。
導入の決め手
チャットツールの選定に関しては、多くの機能を求めるのではなく「内線電話に替わる双方向コミュニケーションの確立」という目的に絞り、ミニマムの機能で検討を行いました。
膨大な内線電話の中身を調べると1分未満の通話が30~40%。電話したけど相手が取り込み中で繋がらず、代わりに出た人に折り返しを依頼する、そこですれ違いが起きる…ということが頻繁に発生していると分かったため、双方向コミュニケーションを簡素化させるだけでも大きな効果が期待できると見据えました。そのため、導入後の運用調整なども大きなものでないことから、導入スピードを早め改善をすぐに実行することを重要視。また機能を限定することで導入のリードタイム圧縮も可能になるだろうという思惑もありました。
elganaを選んだ理由としては、私どもが所属する善仁会グループのシステム部門が既に導入していたことが大きかったですね。「誰でも感覚的に使える」という声を事前に社内でヒアリングできていましたし、システム環境面での適合性なども担保されており、社内手続きの面でも時間を短縮できます。もちろん他のツールとも比較しましたが、ミニマムの機能に関しては性能面でも価格面でも大きな差はないと感じたため、グループ内で導入実績のあるelganaを選択しました。
正直なところ「もしダメでも、この価格なら比較的容易に乗り換えられるだろう」という気持ちもありました。しかし結果的には、導入から現場への展開まで非常にスムーズかつスピーディに進み、先日からはカスタマーサービス部に続いて各地の健診センターの受付への導入もスタートしました。
内線電話件数が30~40%割減少。
業務の円滑化により、お客さま対応のスピードも向上。
導入の効果
現場への導入に際しては、部内にチャット文化がなかったので、まずはelganaを導入する目的や使い方をしっかり定義して周知しました。コミュニケーションモラルやセキュリティ等の基本ルールをはじめ、「敬称や『おつかれさまです』といった挨拶などは不要。要件だけをダイレクトに伝える。」といった使い方をあらかじめ定めることで、チャットならではのスピード感やダイレクト感を活かせるようにしました。
現場への導入は、まず予約セクションの中だけで始めて、その数か月後から営業と報告・請求セクションにも拡大していきました。導入から約1年が経ちますが、3つのセクションそれぞれで「コミュニケーションコストの削減」という効果が見られています。
予約セクションには40名ほどの社員と100名を超える派遣スタッフがいて、そのうち約7割がリモートワークと事務所勤務を併用していますが、elganaを導入したことで意思疎通が非常にスムーズになりました。内線電話の頻度も30~40%ほど減った月もあります。お客さまに対する応答率に関しても、コミュニケーション以外の課題もあるので「劇的に改善した」とまでは言えないものの確実に数字が改善してきています。例えば、お客さまからの確認事項に対して、以前は電話を受けた本人しか対応できなかったのですが、今は複数のスタッフをメンションして一斉に情報を共有し、手の空いているスタッフへ対応を依頼できるので、お客さまに回答するまでの時間を短縮できるようにもなりました。
報告・請求セクションでも、部内の周知や各スタッフへの連絡に関する業務が本当に楽になりました。かつては連絡事項をドキュメントにまとめて、ファイルを共有サーバにアップして、各スタッフにメールや内線で「ドキュメントを見てください」と伝える、といったフローだったため、手間もかかりますし、情報が届くまでにタイムラグが生じていました。しかし今は、elganaの各グループにメッセージを送るだけで周知が完了。タイムリーに情報を届けることができます。個別の連絡でも、内線が繋がるまで何度も電話をかけ続けるということがかなり減りました。
チャット文化の浸透には、副次的な効果も。
「お客さま対応の遅滞を解消する」という根本的な課題に対しては、elgana導入によって10~20%ほどの改善が進んでいるという認識です。また、これは数字には表れない部分ですが、チャットの活用には「文字による情報伝達スキルの向上」という副次的な効果もあると感じています。頭の中にあることを言語化し、少ない文字数で端的にまとめるという作業を繰り返すことで、アウトプットのスキルが上がり、そのスキルが、お客さまのカルテ作成など業務に活かされ、その結果、お客さまの対応品質の向上につながっていく。チャット文化がさらに浸透することで、そのような効果も得られるのではないかと期待しています。
お客さまのニーズを最大限に受け止めるため、
次のボトルネック解消を目指す。
今後の展望
elganaの導入によって社員間コミュニケーションの負荷が減り、以前より多くのお問い合わせを受けられるようになりはじめました。しかし、受ける案件数が増えたら増えたで、今度はそれだけの数を処理できるようにオペレーションのキャパシティを拡大する必要があります。今後は、スタッフ一人ひとりの自己解決能力の向上、体制やワークフローの見直し、さらに、チャットでのコミュニケーションに関してもより効率的な使い方を模索していこうと考えています。
コミュニケーションの流れの改善から、オペレーションの流れの改善へ。「お客さま対応の遅滞解消」に向けたアプローチは着実に進んでいるといえます。これからも引き続きコミュニケーションの最適化に取り組みつつ、さまざまな面から改善を進めていく予定です。