地元企業のDX化を推進する「旗振り役」として商工会議所がelganaを導入
事業内容について
松山商工会議所(以下、商工会議所)は1882(明治15)年に創設され、1世紀以上にわたって地元松山の商工業と各企業の発展に寄与するべく様々な取り組みを実施している公益経済団体です。具体的には所属する会員企業約6,000社に対して経営に関する相談やサポート、資格試験・ビジネスセミナーの実施等を行っています。
elganaの導入についても、地元の会員企業のIT化を推進することが狙いでした。ある時、会員企業へITツールの活用状況についてのヒアリングを行った際、「直面している様々な経営課題に対する適切な解決策としてのITソリューションを導入できてない(あることさえ知らない)」という企業が少なくないことが明らかになったのです。そこで、「各社が共通して、コストを抑えて導入できるITツールはないか」と検討したところ、NTTグループの営業担当者からelganaの提案があり、「まずは松山商工会議所が旗振り役として導入しよう」ということになりました。(中矢氏)
利用する企業・団体、さらには職員を守るelganaの存在感
導入の決め手
そもそも商工会議所は、情報漏えいのリスク回避やワークライフバランスを狙いとし、業務時間外は連絡をしないというルールのもと、「あらゆる業務は職場で完結させる」ということを徹底してきました。しかしながら、近年、土・日・祝に資格試験を開催しているほか、イベントの実施やビジネスセミナーを開講する機会も増え、平日以外にも業務するスタッフがいたり、それぞれの業務時間が違ったりと、職員間でイレギュラーに連絡しなければいけないシーンが増えてきました。このため、一般的なSNSでコンタクトを取ろうとする職員も出てきていました。(中矢氏)
しかしながら、一般的なプライベートで使っているSNSを利用し上司や同僚と繋がることに抵抗がある職員もいますし、休日にもプライベートのSNSに業務連絡が入ると、せっかくの休日もリラックスできなくなってしまいます。(岡田氏)
そこで商工会議所では「業務専用のコミュニケーションツール」として、プライベートチャットと棲み分けができるelganaを導入することにしました。また、冒頭でもお話したように、「まずは旗振り役として、自分たちで利用して、いずれ会員企業様にも利用が広がるといいな」という狙いもありました。商工会議所では2020年8月から、職員約40名で利用を開始し、現在も日常的に運用しています。
導入に至った決め手は、初期費用やランニングコストがかからないなどいくつかありますが、一番はセキュリティー面の信頼感です。elgana自体がNTTグループの提供するサービスであることに加えて、業務専用ツールと位置付けることができるので、高いセキュリティーを期待できるとともに、公私混同を避けることができ、部外者への誤送信リスクへの懸念もなくなりました。(中矢氏)
導入に際しては、各自でパソコンやスマートフォンにelganaをインストールしました。職員は20〜60代まで幅広い年代の方が在籍していますがelgana自体がシンプルなUIでわかりやすいということもあり、すぐに利用しはじめることができました。
先ほど中矢も話で触れましたが、プライベートで使っているSNSは、いくら注意しても「間違えて部外者にメッセージを送信してしまった」「プライベートな内容を職場のグループチャットに投稿してしまった」というミスを起こしてしまいがちです。我々の業務の場合、そういったミスは会員企業や地元の皆様にご迷惑をおかけすることになってしまいかねません。
しかし、elganaを利用すれば、部外者への誤送信リスクは回避できます。また、上司からも「elganaは業務専用ツールだから、休日は通知をオフに」といわれていて、休日にストレスを感じることもないのです。(岡田氏)
プッシュ通知機能で、瞬時にデータ共有。elganaによって業務がスムーズに
導入後の効果
elganaの便利さを実感するのは、スマートフォンアプリでの「プッシュ通知機能」ですね。メールやグループウエアでデータやファイルを共有しようとしても、タイミングによっては「気づかない」「見落とてしまう」ということは起こります。特に外出が多い担当者にとっては、これが悩みの種でもありました。しかし、elganaはプッシュ通知なのですぐに気づくことができ、メッセージの見落としがありません。商工会議所へ私宛の電話があった際にも、elganaに「○○様から電話がありました」とメッセージを入れてくれれば、すぐに折り返しかけることができ、非常に助かっています。(中矢氏)
また内勤の職員にとっても席を離れている時や打ち合わせ中などに、グループウエアで連絡やファイル共有がなされた場合、気づくまでに時間がかかるものです。そんなときにスマホからのプッシュ通知があれば、スムーズに共有や確認が可能です。(岡田氏)
ちょうどelganaを導入した時期は、コロナ禍のまっただ中でした。一部のリモートワーク勤務の職員との連携もelganaが大いに役立ちました。
さらにコロナ禍での活用において、資格試験やセミナー実施当日の急な連絡にも役立ちました。例えば、実施当日に会場の担当だった職員が「発熱した」「濃厚接触者になった」などの場合、関係者全員への迅速な連絡が必要でした。そういった場合もelganaを利用することで、情報の一斉送信が可能となり、さらに未読・既読も確認できるので、漏れることなく関係者へ即時連絡することが可能となったのです。一つのツールで情報の一元化・集中管理が可能となり、リスクを管理するとともに、効率的に事業を実施することができました。(中矢氏)
「elganaの輪」が着実に拡大。これを機に地元企業のDX化促進に期待
今後の展望
これはすでにスタートしていますが、商工会議所では、外部の方と連絡するためのアカウントを追加し、セミナーや研修等に参加した方同士の交流の場、またイベント情報などの告知をelganaで行っています。そうした流れで自然と会員企業でもelganaを利用する従業員が増え、elgana でつながる「elganaの輪」が徐々に広がっている実感があります。
実際に一部のプロジェクトでは関係機関と連携する際に、elganaでの情報共有を行いました。機密性の高い情報を共有化することが多くありましたが、セキュリティー面はまったく問題なく、無事に進行できました。
elganaは以前と比べても機能面が進化しており、より使いやすいコミュニケーションツールになっていくことでしょう。デジタル活用は、安心、安全で使いやすいツールを、ビジネスのプロセスに組み込んでいくことが重要です。地元・松山の会員企業において、elganaを含めてIT化また現場のDX化が少しでも加速すれば、その企業はもとより、地域経済の活性化につながります。商工会議所は、地元企業そして地元の皆様に寄り添いながら、elganaの活用をはじめ、デジタル化のお手伝いをすることで、地域の発展に貢献していきたいと考えています。(中矢氏)