請求書の原本の郵送は廃止できるのか?
請求書の原本を紙で郵送する従来の方法から、電子データでの送付に切り替えることは法的に可能です。実際、近年の法改正やデジタル化の進展により、多くの企業で電子請求書の活用が進んでいます。
もちろん、請求書の電子化にあたっては法的な有効性や取引先の同意など、クリアすべき課題があります。それでは、電子請求書は法的にどのような位置づけなのでしょうか。
電子請求書の法的有効性は?
電子請求書は、法律上有効な書類として認められています。具体的には、電子帳簿保存法やe-文書法の規定により、紙の請求書と同等の効力を持つとされています。ただし、電子データでの保存や送付にあたっては、一定の要件を満たさねばなりません。
たとえば、電子署名の付与やタイムスタンプの活用、データの改ざん防止策などが求められます。電子請求書を導入する際には、これらの法的要件を十分に理解し、適切な対応を行うことが不可欠です。
請求書の電子化に関連する法律
請求書の郵送を廃止して電子化するにあたり、関連法規を正しく理解しておくことは非常に重要です。法律の要件を満たさない電子化は、法的なリスクを伴う可能性があります。ここでは、請求書の電子化に深く関係する「電子帳簿保存法」と「e-文書法」について解説します。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、国税関係帳簿や書類の電子保存を認める法律です。この法律により、請求書を含むさまざまな税務関連書類を電子データで保存することが可能になりました。ただし、保存するデータに対しては一定の要件が設けられています。具体的には、データの信頼性を確保するためのシステム管理要件や、検索機能の確保などが求められます。
e-文書法
e-文書法は、商法や税法で保管が義務付けられていた法定文書の電子保存を認める法律です。請求書を電子保存する際には、改ざん防止措置や適切なアクセス制御などの要件を満たす必要があります。また、取引先との間で電子化に関する合意が成立していることも重要です。e-文書法の適用により、文書管理の効率化やコスト削減が期待できますが、法的要件を正しく遵守しましょう。
請求書を電子化するメリット
ここでは、請求書を電子化することで得られる主なメリットについて詳しく見ていきましょう。
効率的な管理と保存
電子化された請求書は、データベースやクラウド上で一元管理できます。必要な情報を迅速に検索・閲覧できるようになるため、書類を探す時間の大幅な短縮が期待できます。また、物理的な保管スペースが不要になるため、オフィス環境の改善にもつながるでしょう。
つまり請求書を電子化することで、業務プロセスの見直しや業務フローの最適化を促進でき、組織全体の生産性向上に寄与します。
ペーパーレス化による経費削減
紙の請求書を発行・郵送する場合、印刷費や紙代、封筒代、郵送費などさまざまなコストが発生します。電子化を進めることで、これらのコストを大幅に削減できます。また、郵送にかかる時間がなくなることで、請求から支払いまでの期間が短縮されるため、キャッシュフローの改善にもつながるでしょう。
さらに、ペーパーレス化により保管スペースの確保や管理業務にかかるコストの削減も実現できます。
請求書の郵送に代わる送付手段は?
ここでは、請求書を電子化するにあたり、郵送に代わる送付手段を紹介します。それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、自社のニーズや取引先の状況に合わせて選択することが重要です。
ビジネスチャット
ビジネスチャットにはファイル共有機能が搭載されており、請求書の電子データを送付する手段としても有効です。また、高度なセキュリティ機能を備えているツールも多く、暗号化通信やアクセス制御により情報漏えいのリスクを低減できます。さらに、取引先とのコミュニケーションツールとしても活用できるため、業務連絡や確認事項の一元化もできる利点があります。
「elgana(エルガナ)」は、電子帳簿保存サービス「ClimberCloud」と連携できるビジネスチャットです。電子帳簿保存法対応に必要な機能要件を満たしており、電子データをクラウドに保存することで、紙の原本の保存は不要となります。
電子請求書システム
電子請求書システムは、請求書の発行から送付、管理までを一元的に行える専門システムです。自動的に請求書を生成し、取引先に送付する機能を備えているため、手作業のミスや手間を削減できます。また、データ連携により、会計システムや在庫管理システムとの統合も可能です。ただし、導入コストや取引先の請求フローを考慮する必要があります。
「ClimberCloud for elgana」には、電子請求書の機能も搭載されているため、請求書の郵送を廃止し、電子請求書の発行にもご利用いただ けます。
メール
メールは、手軽に電子請求書を送付できる手段のひとつです。請求書をPDFなどのファイル形式で添付し、取引先に送信できます。しかし、誤送信などによる情報漏えいのリスクがあります。
メール送信時には、パスワード付きのファイルを添付する、暗号化通信を利用するなどの対策が必要です。また、相手側の受信環境やセキュリティポリシーによっては、添付ファイルがブロックされる可能性もあります。
電子請求書のデータを送る際の5つの注意点
電子請求書を送付する際には、法的な要件を満たすことはもちろん、取引先との円滑なやり取りやセキュリティの確保も重要です。ここでは、電子請求書のデータを送る際の5つの注意点を解説します。
送信先に押印が必要か確認する
取引先が『請求書に押印が必要』としている場合があります。電子請求書でも、電子署名や電子印鑑を用いることで対応可能です。電子署名はデータの作成者を証明し、改ざんがないことを保証してくれます。取引先が押印を求めている場合は、事前に電子的な手段での対応が可能か確認しましょう。
セキュリティ対策を行う
電子請求書には、顧客情報や取引内容などの機密情報が含まれます。そのため、ファイルにパスワードを設定する、暗号化通信を利用する、セキュリティソフトウェアを導入するなどのセキュリティ対策を徹底しなければなりません。
ビジネスチャットや電子請求書システムを利用する場合は、セキュリティ機能を確認し、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。情報漏えいや不正アクセスを防ぐため、細心の対策を講じましょう。
メールの件名をわかりやすくする
電子請求書をメールで送付する際、件名や本文をわかりやすくすることで、取引先がスムーズに対応できます。件名には「請求書送付のご案内」や「〇月分請求書添付」など、内容が一目でわかる表現を用いるとよいでしょう。
また、本文には請求書の内容や金額、支払期日などの重要事項を簡潔に記載します。これにより、取引先の担当者が必要な情報をすぐに把握でき、ミスやトラブルの防止につながります。
改ざんしづらい形式の請求書を送る
請求書のデータは、改ざん防止の観点から、変更が困難なファイル形式で送付しましょう。一般的には、編集が難しいPDF形式が広く利用されています。また、パスワード設定や電子署名の付与により、セキュリティを強化することも大切です。WordやExcel形式での送付は、内容が容易に変更できるため避けたほうがよいでしょう。
電子帳簿保存法の改正に対応する
2024年1月の電子帳簿保存法改正により、電子取引における請求書はすべて電子保存することが義務付けられました。今後の改正では、電子取引以外の取引についても電子保存を求められるようになるかもしれません。
法改正の内容を正しく理解し、自社のシステムや運用体制が最新の要件を満たしているか確認することが重要です。また、法改正に対応したシステムの導入や社員教育を行い、適切な保存・管理を徹底しましょう。
請求書の郵送を廃止する際には「elgana(エルガナ)」を導入しよう!
請求書を電子化することで、業務効率の向上やコスト削減などを実現できます。しかし、法的要件の遵守やセキュリティ対策、取引先との合意など、注意すべき点も少なくありません。これらの課題をクリアし、円滑に電子化を進めるために信頼性の高いツールを導入しましょう。
ビジネスチャット「elgana」は、高度なセキュリティ機能と使いやすさを兼ね備えています。請求書データの送受信はもちろん、社内コミュニケーションから取引先との連絡も一元化できるため、業務の効率化に大きく貢献します。また、クラウド型電子帳簿保存サービス「ClimberCloud for elgana」と連携することで、請求書管理の効率化も実現可能です。請求書の郵送を廃止し、電子化を進める際には、「elgana」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。