仕事の引き継ぎが重要な理由とは
そもそも仕事の引き継ぎはなぜ行うのでしょうか。ここでは、仕事の引き継ぎが重要な理由を3つ紹介します。
業務効率・生産性を低下させないため
仕事の引き継ぎは、業務効率や生産性を落とさないために重要です。業務の担当者が変わった際に引き継ぎが不十分だと仕事の進め方がわからないため、業務効率・生産性が下がります。
また、後任者が上司や関係者に業務について一から尋ねていると、その人たちの時間を奪うことになり、業務に支障をきたしかねません。業務の担当者が変わる際は、後任者や関係者に迷惑をかけないよう、必ず引き継ぎを行いましょう。
企業の信頼維持のため
業務の担当者変更は単に自社だけの問題ではなく、取引先企業にも影響が及びます。担当者が変わる際の引き継ぎが不十分だと仕事に遅れを招く恐れがあり、ひいては顧客や取引先に不信感を与えかねません。
業務の引き継ぎというのは社内の「人から人」への伝達であり、それがうまく運べなければ、取引先企業から「社内コミュニケーションに問題のある会社」という印象を持たれて信頼を失ってしまう可能性もあります。企業としての信頼維持のために、業務の引き継ぎをスムーズに行う必要があります。
前任者の負担を減らすため
仕事の引き継ぎは、後任者や関係者のためだけでなく、前任者のためにも重要です。たとえば、異動・産休などで仕事から離れた後、業務引き継ぎが不十分だと後任者や担当していた取引先から確認の連絡が来てしまい、前任者に大きな負担がかかります。
仕事の内容やボリュームによっては、前任者が対応しなければならないケースもあるでしょう。前任者に負担をかけないようにするため、また自身が引き継ぎをする側であれば自分自身のためにも、引き継ぎや情報共有は確実に行っておく必要があります。
業務の引き継ぎをスムーズに行う5つの手順
業務の引き継ぎは、行き当たりばったりで行うのではなく、計画を立てて行うことでスムーズに進みます。ここでは、業務の引き継ぎをスムーズに行う方法を5つのステップでご紹介します。
1.引き継ぎが必要な業務を洗い出す
まずは、引き継ぐ必要がある業務をすべて洗い出しましょう。具体的には、「業務内容」「仕事の流れ・手順」「業務遂行に要する時間・工数」を洗い出します。業務が複数ある場合やいくつかの業務にまたがる場合は、仕事の種類ごとに分類することで、前任者と後任者ともに引き継ぐべき業務が把握しやすくなります。
また、業務のリストアップを行った際に、「必要ない業務」や「非効率な進め方」を発見した場合は、上司に判断を仰いでから引き継ぐか否かを決めましょう。
2.引き継ぎのスケジュールを決める
引き継ぎ業務の洗い出しが終われば、前任者と後任者の間で引き継ぎの日時を決めます。口頭での説明だけではなく、実際に作業に立ち会って確認すべき業務もあるでしょう。業務量によっても引き継ぎに時間がかかるため、スケジュールに余裕を持つ必要があります。
業務の引き継ぎは、両者の空き時間に行ったり時間をしっかり確保できる日を合わせたりして行いましょう。仮に、対面で引き継ぎする時間が取れない場合は、チャットやオンライン会議などのツールを活用するのも手段の一つです。
3.引き継ぎ資料を作成する
引き継ぎスケジュールを決めたら、引き継ぎに必要な資料を用意します。資料に記載する内容の具体例は、下記の通りです。
- 業務内容(種類ごとに分類)
- 業務の目的・目標
- 社内関係者や取引先担当者の名前と連絡先
- 業務のやり方・手順・注意点
- 関連データの保管場所と保存方法
- 過去のトラブル対応履歴・解決方法
- トラブル発生時の問い合わせ先
上記項目の概要をまとめ、後任者への引き継ぎ時にわかりやすくしておくことがポイントです。ただし、詳細に作り込んでしまって資料のボリュームが多くなると、要点がわかりにくくなりスムーズな引き継ぎができません。簡潔にまとめた引き継ぎ資料を作成しましょう。
4.業務の引き継ぎを実行する
引き継ぎ資料が準備できたら、実際に業務の引き継ぎを始めます。引き継ぎ資料だけではなく、資料を手引に実務のなかで伝えることで、後任者が業務内容や流れをイメージしやすくなるでしょう。
一度にすべての業務を引き継ぐと理解しきれないため、優先順位を決めて少しずつ伝えるのがポイントです。また、引き継ぎのなかで後任者の疑問点をヒアリング・解消し、引き継ぎ終了後にスムーズに業務を進められるようにしましょう。
5.引き継ぎ後もフォローする
すべての業務を引き継いだ後も、余裕があれば後任者のフォローをするのが大切です。一度の説明だけでは、覚えられなかったり理解できなかったりすることもあります。
とりわけ、トラブルやアクシデントなどのイレギュラーな事象は、引き継ぎ期間中に都合よく発生するものではなく、個人が持つノウハウなどを完璧に伝えるのは難しいでしょう。また、引き継ぎ後に後任者が業務内容や進め方などに疑問を持つこともあるため、一定期間はできる限りのフォローをしましょう。
業務の引き継ぎをスムーズに行うためのポイント6選
業務の引き継ぎは、ただ行えば良いというわけではありません。後任者に滞りなく業務を引き継ぎ、理解してもらうためには、伝え方の工夫が必要です。ここでは、業務の引き継ぎをスムーズに行うためのコツを6つ紹介します。
後任者に合わせたコミュニケーションを心がける
業務の引き継ぎを行う際は一方的に伝えるのではなく、後任者の立場や能力に合わせたコミュニケーションを心がけるのがポイントです。
たとえば、経験が浅い後任者の場合、専門用語や業界用語などを多用しても理解できません。できるだけ噛み砕いて説明し、疑問点がないかを都度確認することが重要です。関連業務の経験がある後任者の場合は、まず資料に目を通してもらい疑問点があれば解消していく流れで引き継ぐと効率的です。相手の立場や経験などを理解し、適切なコミュニケーションを行うことを心がけましょう。
業務の目的や全体像から伝える
業務を引き継ぐ際は、「目的」「目標」「全体像」を伝えることで、後任者が業務の進め方をイメージしやすくなりスムーズに引き継げるでしょう。業務内容だけを伝えられても、引き継ぐ業務の背景や意味が理解できないと覚えられません。後任者には「なぜその業務を行う必要があるのか」「その業務ではどのような結果が得られるか」ということを一番はじめに伝えましょう。
関連業務のつながりを説明する
業務を引き継ぐ際は、引き継ぐ業務の内容だけではなく、関連業務についても説明することがポイントです。多くの仕事は一つひとつ独立して存在しているものではなく、社内業務全体の流れのなかで関わり合っています。そのため、それぞれがどのようにリンクしているかを伝えましょう。業務のつながりを理解することで、引き継ぎ業務でやるべきことや重要性が明確になります。
自分の体験談を交えて説明する
自分の体験談を交えて説明することで、後任者が実際に業務を進める際の参考になります。後任者は業務内容の説明を受けたり資料に目を通したりしても、具体的なイメージがつかめません。過去の失敗談やトラブル対応時の事例などを交えながら、業務遂行上の注意点やポイントの説明があると、後任者はイメージしやすくなります。
後任以外の関係者にも引き継ぎした旨を伝える
業務を引き継ぐ際には、後任者だけでなく社内外の関係者にも必ず引き継ぎする旨を伝えてください。引き継ぎされたことが周知されていないと、業務に支障をきたす恐れがあります。特に、取引先や顧客に引き継ぐことを伝えていなければ、企業の信頼を失ってしまうことになりかねません。必ず関係者全員に伝え、引き継ぎ後もスムーズに仕事が進められるようにしましょう。
引き継ぐ際にコミュニケーションツールを活用する
業務の引き継ぎには、前任者・後任者のスケジュールを合わせなければならず、時間確保の手間を要します。そこで、コミュニケーションツールを活用すると、対面で業務の引き継ぎをする時間を十分に確保できていなくても、スムーズに業務の引き継ぎができます。
たとえば、ビジネスチャットを活用すれば文書での引き継ぎはもちろん、ファイル管理機能で資料データをまとめて送信することが可能です。また、タスク管理機能で引き継ぎの進捗管理ができるうえに、通話機能で緊急の確認も容易に伝えられます。
ビジネスチャット「elgana」を活用して業務のスムーズな引き継ぎを実現しよう
仕事の引き継ぎをスムーズに行わなければならない理由は、業務効率・生産性の低下を防ぎ、企業の信頼を維持するためです。異動や退職に伴い、業務の引き継ぎは急に発生することも多いため、いかに効率的に行えるかが重要です。業務を引き継ぐ際は、あらかじめ業務の洗い出しとスケジュール設定をし、必要な資料を揃えておくことでスムーズになります。
ただし、業務の引き継ぎはただ行えば良いのではなく、業務の目的やほかの業務とのつながりも合わせて説明することが重要です。また、後任者以外にも社内外すべての関係者に引き継ぐ旨を伝えておくことで、引き継ぎ後もスムーズに仕事が進められます。
しかし、業務を引き継ぐ際に前任者・後任者のスケジュールが合わなかったり、業務量が多かったりすると対面で伝えるだけでは非効率な場合があります。ビジネスチャット「elgana」を活用すれば、仕事の引き継ぎをスムーズかつ効率的に行えます。「elgana」には、チャット機能や通話機能のほかに、 タスク管理機能やデータをクラウドに保存する機能などがあり、やりとりを記録として見返せるため、簡易的なマニュアルとしての役割も果たします。
「elgana」は無料で試用できますので、ぜひ一度業務の引き継ぎへの活用をご検討ください。