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中小企業でDXを進めるためのポイントとは? 意味や必要性、活用事例などを詳しく紹介

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昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)は大企業だけではなく、中小企業でも推進され始めています。2022年4月には「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き」が取りまとめられており、DXが国として推進されています。DXに取り組むことで業務プロセスを改善できたり、新たなビジネスモデルを創出できたりなどのメリットを得られるでしょう。

しかし、自社のIT技術に関する意識が浅いために、DXの推進に手をこまねいている企業は少なくないでしょう。この記事では、中小企業がDXを進めるためのポイントや必要性、活用事例などを詳しく解説します。

目次

DXとは

DXを進めるためには、定義やDXに似た言葉との意味の違いを理解することが重要です。下記では、DXの定義とIT化との違いについて解説します。

DXの定義

DXとは、企業がビジネスモデルの変革を行うために、社内のビッグデータとAIやIoTなどのデジタル技術を活用して、業務プロセスの改善や競合他社との優位性を確立するための取り組みのことです。

これまで人力ではできなかった業務や新たな価値を顧客に提供できるため、会社の成長につながります。経済産業省のDXレポートでは、多くの企業でDXを推進することで、「ヒト・モノ・コト」の情報がつながり、個人のライフスタイルや社会全体の変化も実現できると報告されています。

DXとIT化の違い

IT化とは、従業員や社内業務を対象とした生産性向上やコスト削減を目的にする取り組みです。たとえば、MA(マーケティング・オートメーション)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入すれば、デジタル化されたデータを社内全体で効率的に共有したり、営業活動に活用したりといったことが可能になります。

DXは新たなビジネスモデルの創出や業務の改善を通じて、企業全体の成長を目指すのが目的です。IT化はあくまでDXの一環であり、手段ですが、DXは社外の顧客や取引先、社会全体に目を向けた取り組みともいえます。

中小企業にDXが求められる理由

中小企業では、「2025年の崖」問題への対策や、グローバル市場での競争優位性を確立することが求められています。これらを解決するためには、DXを推進して、業務効率や生産性を向上させなければなりません。下記では、中小企業にDXが求められる具体的な理由を3つ解説します。

業務効率や生産性の向上が期待できる

DXによってワークフローの統合やタスクの自動化をすることで、業務効率や生産性の向上が期待できます。たとえば、これまで企業独自のサーバーで社内システムを管理していた場合は、クラウド型のシステムに統合することでサーバーエラーやアップデート対応などの手間を省くことができます。ほかにもフロントオフィスとバックオフィスの連携ができるツールを導入することで、効率的な営業成績の向上や質の高いカスタマーサービスを提供できます。

新規事業や新サービスを開発しやすくなる

DXの推進により、顧客情報の収集や分析・解析が簡素化されるため、常に変化する顧客のニーズや課題を可視化して把握することが可能です。データ分析・解析の結果、新規事業の推進や新たな商品・サービスの創出にもつながり、ひいては企業価値を高められます。

働き方の多様化を実現できる

デジタルツールを活用すれば、これまでアナログ対応していた業務を自動化したり迅速化したりできます。これにより業務プロセスの改善ができるため、残業時間の削減や一人あたりの業務負担の軽減などが可能です。テレワークの推進にもつながるため、働き方の多様化も実現でき、社員の満足度やモチベーションの向上にも寄与します。

中小企業におけるDXの課題

DXを推進するメリットは、中小企業にこそ多くあるのですが、さまざまな課題を前に尻込みをしてしまうため取り組みは遅れがちです。下記では、中小企業におけるDXの課題を3つ紹介します。

IT人材の不足

DXを推進するためには、最新のIT技術に関する知識やリテラシーが必要になります。もし社内にデジタル技術に強い人材がいない場合は、IT人材の確保からDXへの取り組みはスタートします。しかし、少子高齢化により労働人口が減少している時代にあっては、求める人材を採用できない可能性があります。こうした場合には自社で人材を育成したり、外部に依頼したりする必要が生じるでしょう。

DXの効果や目的が不明瞭

DXへの取り組みは企業全体の改革です。成功させるためには、経営戦略やロードマップが必要になります。また、DXに取り組む目的や効果が不明瞭だと、具体的な進め方を見失うことにもなります。そうした場合、業務全体にIT技術を取り入れたとしても、社員が使いこなせなかったり、必要性を感じなかったりしてメリットを得られずに計画倒れとなってしまいます。

DXにコストがかけられない

日本では中小企業の経営者にIT投資への意欲が乏しい傾向が強くあります。ITへの知識や理解が浅いため、「攻めのIT投資」が利益に結びつくことをイメージできておらず、これがDXが推進されない要因の一つにもなっています。

DXには初期コストやランニングコストがかかります。先行投資に対する利益の回収率を具体的に提示できなければ、IT投資への意欲の乏しい経営者を説得することは難しいでしょう。

中小企業におけるDXの進め方

中小企業においては導入目的を明確にし、どの業務からDXを進めるかを事前に決めておくことがポイントです。下記では、6ステップにわけてDXの進め方を解説します。

スモールスタートでDXを推進する

いきなり全ての業務でDXを進めてしまうと、ITツール・システムに慣れるまでに時間がかかり、意図とは逆に業務効率の低下を招きかねません。まずは事務作業やルーティンワークなど、DXによるメリットを得やすい業務から、「小さく始める」ことが重要になります。そうして社内にDXが浸透し始めたら、徐々に別の業務でも推進していきましょう。こうすることでDX失敗のリスクを最小限に抑えられます。

導入する目的を明確化する

DXの推進は、あくまで手段に過ぎません。最終的に企業価値を高めたり、競争優位性を確立したりするのが目的です。目的が明確でなければ、具体的な行動フローが決められず、DXを導入する効果がなくなってしまいます。DXを始める際には、事前に導入目的を明確にしておきましょう。

自社の課題を分析する

DXの目的を実現するためには、自社における現状の課題と解決に向けてのビジョンを明確にしなければなりません。老朽化したレガシーシステムや複雑化した業務プロセスの刷新・改善など、自社に横たわっている課題を正確に把握し、課題解決に向けた分析することが求められます。企業の成長を妨げる要因を洗い出し、DXを導入していきましょう。

人材の確保を行う

DXを進めるには、ITに関する専門的な知識を持った人材や、プロジェクト管理・進行ができる人材が必要になります。エンジニアやプログラマー、PM(プロジェクトマネージャー)の経験がある人材を確保しましょう。採用活動がうまくいかない場合は、社内での人材育成、外注、ITコンサルタントへの依頼を検討してみましょう。

ツールを選定する

DXを進めるには、自社の課題解決に必要なツールの選定が重要になります。機能が複雑で専門知識を持っていなければ扱えないツールを選んでしまうと、社内に浸透せず、投資資金や時間が無駄になってしまいます。まずは、初心者でも使いやすいツールをテスト導入し、効果検証しながらDXを推進していきましょう。

業務プロセスや組織を変更する

スモールスタートで少しずつ業務のDXを進めた後は、別のワークフローのデジタル化や組織構造の見直しをした上で、当初の目的がどれくらい達成できたかを確認することが重要になります。進捗管理をしながら、徐々に業務全体のDXを進めビジネスモデルの変革を実現しましょう。

中小企業におけるDX活用事例

下記では、中小企業における活用事例を紹介します。ぜひ導入への参考にしてみてください。

新規事業創出の例

福岡県北九州市の熱産ヒート株式会社では、熱処理技術における熟練者の経験・ノウハウをデジタル化しています。会社の課題として熟練者への負担集中と長時間労働があり、銅管加熱監視システムの目視確認業務や昼夜問わない労働環境の改善が急務になっていました。そこで、最初に「銅管加熱遠隔始動監視操作システム」のAI化に踏み切り、業務効率化と残業時間の削減ができました。また、このシステムを導入したことにより、熱のデータ化と新規顧客への新たなソリューションを提供できるようになっています。

企業文化変革の例 

福岡県八女市の株式会社古賀製茶本舗では、ベンダー任せだった基幹システムの改善を行っています。ITコーディネーターとの連携や、補助金の活用によってDXツールを導入し、顧客や従業員の満足度向上につながりました。社内でのDXプロジェクト体制を整え、外部専門家や金融機関からの支援を受けながら成功につなげています。

新たな価値創出の例

東京都・福岡県で事業を営んでいる株式会社シノケングループでは、不動産事業における契約書などの管理や事務作業にかかる工数の削減が課題でした。そこで不動産売買電子契約プラットフォームのDXツールを導入し、紙媒体での契約体制を刷新しました。現在でもDX導入の成果をプレゼンして経営層を巻き込み、全社的にプロジェクトを進行しています。

  • 経済産業省 九州経済産業局, 「DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業事例」
    https://www.kyushu.meti.go.jp/seisaku/jyoho/jirei/dx/top.html(参照 2023-06-05)

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DXの目的は、従来からの企業風土を変革し、新たなビジネスモデルを創出することです。中小企業でDXを推進することは、業務プロセスの改善、業務効率や生産性の向上につながります。しかし、DXの導入にはさまざまな課題があるため、具体的な行動フローを明確にして推し進めることが重要になります。具体的な自社の課題や目的を明確にし、テスト的にDXを進めて効果が上がれば、別の業務へと広げていく。そうすればDX推進を成功へとつなげられることでしょう。

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