今後のFAXの必要性は？
デジタル化やDXに伴って代替ツールが増えているなかで、今後もFAXは必要なのでしょうか。ここでは、FAXの必要性について解説します。
FAXが廃止されない理由とは？
依然としてFAXが廃止されない大きな理由は、取引先との書類のやり取りにFAXの使用が求められているためです。ペーパーレス化が推進されているといえど、自社だけがFAXを廃止しても取引に支障をきたすため、取引先の事情に合わせてFAXを使い続けざるを得ないのが実情でしょう。
また、FAXから別の手段（電子メール・チャットツールなど）へ全面的に切り替えるには、設備投資や社内体制の構築などに一定のコストと手間がかかることも障壁となっています。ペーパーレス化への取り組みは徐々に進んでいるものの、全社的なFAX廃止はコスト面やリスク面でハードルが高いと感じている企業が多く、当面FAXは使用され続けるでしょう。
FAXが必要な業界
FAXは、「物流・製造・飲食・宿泊施設・卸売・建設業界」などでは、依然として重要なコミュニケーションツールとして活用されています。これらの業界では、「注文書・納品書・見積もり・契約書」などのやり取りをFAXで行っています。即時性があり、紙ベースのドキュメントを直接相手に送信できるため、急ぎの注文や確認事項を伝える手段として、FAXがいまなお主流になっています。
また、これらの業界ではデジタル技術やITツールに苦手意識のある従業員が少なくないことや、別手段に移行する意識が浸透していないケースが多いこともFAXが使用され続けている理由のひとつです。
FAXが必要とされているシーン
法人間のやり取りでは、FAXでのやり取りはメールよりも信頼性が高いと考えられているケースもあります。それは契約書・発注書などの重要な書類の送信にFAXが多く利用されていることからもわかるでしょう。また、顧客とのやり取りでは、年配の方やデジタルデバイスを使用できない人への対応や、夜間・営業時間外の問い合わせ手段としてFAXが活用されています。
行政機関とのやり取りにおいても、セキュリティ上の理由から重要書類をメールでやり取りすることは避けるよう指示を受けるケースがあるでしょう。また、病院施設などではカルテなどの重要な個人情報に対する漏えいリスクを回避するためにFAXを利用しているケースもあります。FAXは特定のニーズや状況において、依然として不可欠なコミュニケーションツールとして位置づけられています。
FAXのメリット
FAXを利用するメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。ここでは、FAXのメリットを３つ紹介します。
信頼性が高い・見てもらいやすい
FAXで送られた書類は送信者の情報が明確であり、いたずらに利用されにくく、スパムメールのように膨大な数が送られることも少ないため、ほかの電子的な手段より信頼性が高いとされています。また、メールなどに比べて見落とされにくく、情報が確実に伝わります。
加えて、電話回線を使用するためインターネット経由のサイバー攻撃に対する危険性が低く、セキュリティ面での信頼性も高いことも大きなメリットといえるでしょう。
緊急連絡用に使える
メールサーバーやインターネット回線の不具合発生時など、メールやチャットツールが利用困難な状況であっても、電話回線が通じていればFAXは使用できるため、緊急時の連絡手段として利用できるでしょう。また、相手が不在でもFAXは自動的に受信・印刷されるため、夜間や休日などの業務時間外でも先方に届きます。FAXは送信後に送信結果のレポートが生成されるため、文書が相手に確実に届いたことを確認できるのも利点です。
IT知識が不要でだれでも使える
FAXは操作が簡単なため、高度なIT知識やスキルは不要です。メールやチャットツールなどのITツールは、書類データのアップロードや受信データの管理・保存などの操作を覚える必要があり、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
一方、FAXは送りたい書類を機械にセットし、相手の番号を入力するだけで送信できます。書類を受信した際もファイリングするだけで管理できるため、操作を覚える必要がほとんどありません。高齢の従業員やデジタル機器に慣れていない人でも、ストレスなく使用できます。
FAXのデメリット
FAXにはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。ここでは、FAXのデメリットを３つ紹介します。
維持費用・送信コストがかかる
FAXを使用するには、機器の購入またはレンタルでかかる初期費用や維持費、さらには電話回線を利用するための料金が発生します。加えて、文書を送信する際にはページ枚数ごとに紙のコストがかかります。FAXを使用し続けるには、決して安いとはいえないコストを支払う必要があり、企業にとっては負担となる面もあるでしょう。
確認・返信までのタイムラグがある
FAXでは受信した文書を印刷してから内容を確認するため、送信後に相手が確認するまで一定のタイムラグが生じます。また、相手が不在の場合、FAXを送信してもすぐに内容は確認されません。
返信を要する場合、 FAXを受信してから新たに書類を用意したり内容を書き込んだりして送信する必要があり、返信までに多くの時間と手間がかかります。急を要する連絡の場合、FAXの利用は業務効率化の観点から大きなデメリットといえるでしょう。
書類のファイリング・保管に手間がかかる
デジタルデータと比べて、FAX受信は紙媒体であるため、ファイリングや保管などの作業に手間がかかります。ファイリングの際は受信書類を分類する作業が発生するうえ、保管スペースの確保も必要です。また、必要な書類を取り出す際には内容を確認しながら探さなければなりません。さらに、紙は時間とともに劣化するリスクもあるため、適切に保管する必要があります。
FAXの代替ツール３選
FAX利用にはメリットがある一方、FAXを利用し続けることにはデメリットも伴うということがお分かりいただけたかと思います。では、FAXに代わる手段としてはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なツールを３つ紹介します。書類のやり取りをFAXから別手段に移行したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
インターネットFAX・クラウドFAX
インターネットFAX・クラウドFAXは、インターネット回線を利用したFAX送受信サービスです。専用のFAX機器が不要で、ウェブブラウザやスマートフォンのアプリから書類の送受信ができるのが大きなメリットです。これにより、テレワーク時でもFAXを送受信できるなど、多様な働き方の推進にもつながります。
また、月額料金や通信料が安く、機能が豊富なサービスがあり、FAX専用回線を引くよりも低コストで利用可能です。
ファイル共有サービス
ファイル共有サービスとは、インターネット上のクラウドストレージを利用して、ファイルをアップロードし、複数のユーザーと共有・管理できるサービスです。文書・写真・動画など、さまざまな種類のファイルを共有でき、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能なため、テレワーク時などにも利便性高く活用できます。
利用者ごとにログインIDを発行し、アクセス権限を細かく設定できるため、セキュリティ対策にもつながります。
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、組織内や企業間での情報共有の効率化につながるコミュニケーションツールです。チャットコミュニケーションだけでなく、書類データの共有やタスク管理などができる機能が実装されています。複数人への情報共有がリアルタイムでできるようになり、FAXと比べて情報伝達・返信までのタイムラグを大幅に削減できます。
ビジネスチャット「elgana」は、上記機能に加えて電子透かし、利用端末制限などセキュリティ対策機能も豊富です。また、初心者でも簡単に扱える操作性となっているため、ITツールに不慣れな人でも安心して利用できます。
FAXが必要な業務はビジネスチャット「elgana」で代用できる！
FAXはデジタル化やDXの推進に伴って、その必要性が薄れつつありますが、業界によってはFAXでのやり取りが求められるケースが今も存在しています。しかしながら、そうした業界であってもFAXは多くの手間やコストがかかり、タイムラグが生じやすいといったデメリットがあります。今後は、業務効率化や新たな働き方を推進するためにも別手段に代替していくことが望まれます。
ビジネスチャット「elgana」は、リアルタイムでのコミュニケーションやデータ共有が可能で、業務効率化に大きく貢献するツールです。また、「elgana」上で共有されたデータはツール上で管理できるうえに、ファイル一覧機能により即座に参照できるメリットがあります。書類の印刷・管理にかかるコストの削減にもつながり、業務効率化とペーパーレス化を同時に実現できます。誰でも簡単に操作できるだけでなく、導入・設定・運用のサポートも充実しているので、ぜひFAXの代替手段として「elgana」の導入をご検討ください。
